黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
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名古屋から革命を起す! 河村たかし(名古屋市長)著 読了
名古屋市長 河村たかし氏が2009年10月に著した、
これからの名古屋市政への方針、そして日本の政治のあり方についての
思いがまとめられたわずか94ページのリーフレットです。

振り仮名はついていませんが、学生が読むにも適した分量だと思います。

河村氏は、古紙リサイクル業を営む家業から政治の世界に入り、
26年間にわたって、衆議院議員を務めた後、
2009年4月に名古屋市長選挙に他の候補者を圧倒的に上回り勝利しました。

河村氏当選前まで年2750万円だった名古屋市長の給与を800万円にし、
4年毎に支給されていた退職金4220万円を辞退しました。

その河村氏は、行政改革の柱として、減税のほかないと指摘しています。
税金の無駄をなくすといっても、余ったお金は別の部署なり、
行政法人なりに使われ、税金を払った人に還元されることは現状ありません。

だからこそ、無駄遣いをなくし、
それを減税という形で国民に還元することが、
国民のための政治をおこなうことになると指摘されています。

また、財政危機の要因として、国債が多数発行されている現状には、
銀行が預金者から預かったお金を運用する仕向け先がなく、
消去法的に国債を受け入れている現実があることを指摘しています。

民間企業は、景気が良くないために、投資に資金を必要とせず、
地方公共団体も国からの財政状態の改善(借金減)を求めたため、
金融機関の有力な借り手がこぞって減少していることで、
国に借金を容易にさせ、結果として財政が悪化している現状を説明しています。

こういった前提があり、政治家が「公共の奉仕者」であるために、
究極のところボランティアで議員になり、短期間で交代していく方向が
地方自治、住民自治を活性化させるのにも効果があると提言しています。

実際に名古屋市では、3月末頃から8つの区で「地域委員会」がスタートします。
これは、小学校の校区を単位とした地域において、
子供の安全対策や災害対策などの住民生活に直結した
課題を市が予算をつけることで、その地域の人々に解決してもらう組織を
地域毎に運営してもらうという仕組みです。
委員会を構成する代表者は選挙で選ばれ、原則無給です。

まだ手探り状態とのことですが、この動きが本格的に普及すれば、
職業化してしまっている地方議員、そして国会議員のあり方も
大きく変わると河村氏は考えています。

私なりに感じた河村氏がもっとも強く掲げる点はいかにあると思います。

「まずいラーメン屋、経営努力をせんラーメン屋はどんどん潰れていくように、
政治の世界でもええ政治をやらなんだら、誰も見向きもせんようになる。
そしてその議員は路頭に迷うような、
そういうシステムをつくっていけばいいと思うとるのですよ。

これは厳しいけれども、商売の世界ではごくあたりまえのことで、
政治の世界にそのルールが適用されないなどということはあり得ないがや。
そうやって客から鍛えられていって、はじめて政治というものも国民のためになる、
そしてときには国民を感動させることもある、
魅力あるものになることができるのではないだろうか。」

食うもの食われるものが日々変化するビジネスの世界では
当然の感覚ですが、それが政治の世界とはあまりにも
かけ離れてしまったところが、現在政治の世界を国民から
遠い意識にしてしまっている面が間違いなくあります。

河村市長ではないですが、もっと沢山の人々が政治の世界にも
アクセスする必要が求められているのだと思います。
そして、一番影響の大きい、そして担い手の多い、ビジネスの世界からこそ、
その代表者を出していく時期なのかもしれないと考えさせられました。

河村市長、名古屋市の今後の行動にもさらに注目したいと思います。

JUGEMテーマ:ノンフィクション
評価:
河村 たかし
飛鳥新社
¥ 750
(2009-10-23)
コメント:薄いのに案外する、そんなアマゾン評価もありました。しかし河村市長に心持の印税を渡すという気分ならばよいではないですか。これまでいなかった日本の政治家です。

読書 | 23:45 | comments(1) | - | - | - |
読みたい本が買えない中学生募集!
こんな呼びかけを小さなブログで行ったところで
反応は返ってこないだろう。

私は、平均1週間に2冊から3冊本を読んでいます。
ニュースサイトとかよく読んでいるブログなどで紹介された本だとか、
歴史上の人物の本とか様々です。

しかも購入した本は、売ったり譲ったりしません。
将来、小さな図書館を開きたいというちょっとした夢があるので。
前置きはともかく。

中学生には読みたい本が買える自由なお金は限られていると思います。
けれども、中学時代に読んで、心に強く影響を受けた本は間違いなく、
一生に大きな与えるはずです。

もし、中学生の方がこのブログを読んでいたら、
この本が欲しいんだけど、買えないから買ってくださいというアピールをしてください。

私もそんなに裕福ではないけど、本好きなので
熱心なPRをくれた本を、自分自身で一読した後に、
あなたに送ります。

それで将来の優れた若者が一人増えれば、楽しいじゃないですか。


あくまでも実験なので、気になった方は、
ブログへのコメントでもTwitterへのメッセージでもお待ちしております。
http://twitter.com/hikaruj

ちなみに中学生に限定しますので、ご了承ください。
(高校生でもアピールが優れていれば考えるかも。)
JUGEMテーマ:日記・一般
読書 | 08:51 | comments(0) | - | - | - |
横井小楠 〜維新の青写真を描いた男〜 徳永洋著
勝海舟が世の中で日本で二人だけ優れた人を挙げました。
一人は西郷隆盛、もう一人はこの横井小楠です。
私は、横井小楠がどういった人物かあまり知らなかったので、
この本を読んでみることにしました。
 
この書の著者「徳永洋」氏は、日本銀行勤務の傍ら、
自らで横井小楠の資料収集に努められたそうです。
まず、この事実にこの著書の親近感が沸いたのは私だけではないように思います。

横井小楠は、熊本県の熊本市で、中堅官吏の150石取りの次男として生まれます。
江戸時代、次男に生まれたからには、最初から跡継ぎの資格がなく、
相当な成績をもっていないと、世の中に認められる存在にはなりませんでした。

小楠は優れた知性を持つ兄に負けることなく、藩校・時習館の塾長に
認められるほど頭角を現した存在になりました。
朱子学を学び、当時の若者の間で主流であった尊皇攘夷を主張する
内容の文献に感銘を受け、また中国古代の聖天子「堯舜」が行った
理想政治の学問「実学」についても研鑽を積んでいきました。

理由は様々有るものの、31歳で江戸に旅立ち、全国の著名な人々との
交友を深め、さらに独自の思想を高めるも、酒の失敗でわずか
1年で熊本に戻ってきました。
しかし、高まった学問を、自宅でさらに自ら研鑽することで、
全国から彼に学ぼうと尋ねてくる人が引きもきらない状態になっていきました。

そして10年後、再び熊本を出て、尾張・紀州・越前・加賀・因州・芸州・長州
などをまわる旅に出発しました。
ここで、この時代に世の中に名前を知らしめた人々と出会うわけですが、
なかでも一番歓迎を受けたのは、福井藩でした。

そもそも、熊本時代に福井から弟子入りしていた人がいるくらいで、
かなり手厚い歓迎を受けて、20日あまりも長逗留をしました。
この間に講演した際には、70人もの人が集まり、藩の有力者もその一員でした。
帰路につき、長州では吉田松陰と何度も会談を重ね、
今後の日本のあり方について議論を重ねたそうです。

熊本に戻り、45歳にして結婚し、子供が出来たのもつかのま、
兄の死、親友との仲たがい、親友の死、妻・子の早すぎる死など
様々な不幸に直面してしまいます。

そんななか、日米和親条約が締結され、世の中の変化が、
彼の尊皇攘夷の思想から、開国して広く海外と交流を求めることに、
日本が歩みだすべきだと、当時としては珍しい、開国論に転換します。

そんなときにも、地元である熊本ではあまり評価されなかった
小楠ですが、福井では大変に評価され、
なんと福井藩主「松平春嶽」は、わざわざ熊本に出向き、
家老を尋ね、小楠を福井に招くことを頼みに行きます。
そして、福井にて特別な待遇を受け、藩校で書物の会読をする際には、
入館を制限されるほど評判がよい状況になりました。

しかしながら、一難さってまた一難と、今度は全国を揺るがす
安政の大獄が起こり、松平春嶽を始め、革新勢力であった
福井藩は大きく幕府からの厳罰を受けます。
動揺する藩を鎮めたのは、小楠でした。そのことで春嶽も感激します。

その後、貿易政策を進めたり、国のあり方を提唱します。
安政の大獄の立役者であった、井伊直弼が暗殺された後に、
幕府から再び必要とされた松平春嶽は、小楠を連れ江戸に赴任します。

そして、幕府の実務職No.1に就任した春嶽を補佐します。
そんなとき、勝海舟、徳川慶喜、坂本龍馬、大久保一翁・木戸孝允など、
幕末の歴史を動かした人物との交友を深めます。

しかし、輝かしい時代もつかの間、福井藩が主体になった幕政改革案も
なかなか進まずに、春嶽は幕府の役職から退き、福井に戻ります。
そして、小楠も熊本に戻ります。

世の中は、さらに尊皇攘夷のスローガンが響き、京都は銃声が
響く中、小楠は熊本でゆったりとした生活を送りながらも、
やはり学問を追及し続けていました、
世の中からは、様々な有力者が彼にアドバイスを求め続け、
貧しい彼には多くの援助金が届けられました。
彼は決して、そういった境遇にあっても自分を投げ出すことなく、
日本のためにどういった方策がふさわしいのかを考えました。

当時の思想を表している言葉があります。
「1.堯舜三代の政治は、天帝に代わって人間の生活を豊かにするため、
山川、草木、鳥獣、貨物それぞれの特性を発揮させて利用し、
地上のあらゆるものの功用をはかり工作工夫する政治であった。

2.堯舜が生きていれば、西洋の大砲、軍艦、器械がもっている
工業技術の精髄を究め、活用し尽くして西洋もかなわない政治を行うに違いない。

3.人間のあり方については、人には三段階あり、人間は天の中の一小天で、
自分の「前人」と「後人」の三人で構成しており、前人は天を助けて
得た前時代の知識技術を自分に伝え、自分はこれを受け継いで後人に伝える。
前生・今生・後生の三段階があるけれども、みな一天中の子であり、
この三人で天帝の命を果たすのだと、独特の哲学を披露。

4.西洋の学問については、事業の学であって心徳の学ではない。
西洋人は、みな事業の学問をするので、事業はどんどん開けるけれども、
心徳の学がないので人情に関することが分からないのである。
だから、交易の談判も事実をつとめていくだけだから戦争となり、
戦争になってもやはり事実をつめていって償金講和というようになる。
人情を知っていれば戦争を防ぐ方法があるのだが、
そこまで分かっていたのはワシントンただ一人だった。
事業の学ばかりで心徳の学がないから西洋列国に戦争の止む日がない。」

現在の世の中にも通用する考え方だと思います。
幕末の時代が多様に変化する時期に将来を見越して、
このような客観的な考え方ができたのは、小楠が本当に、
人を治めるとはどんなあり方がふさわしいのかと、
自分自身で構想できたからだと思います。

幕府が政権を朝廷に返上し、明治政府が誕生するに当たっても
様々な知識人が、小楠の先進的かつ様々な現実をしっかりと
受け止める政策に敬意を表し、頼り続けました。
しかしながら、61歳の新春に暗殺者に襲われ、この世を去りました。

この人の歴史を見ると、常に不遇な境遇が身を襲い続けるのですが、
それらに悲観することなく、常に客観的な視野を持ち、
自分自身の思想に凝り固まることなく、世の中の変化にあわせて、
その訴える思想を変化し続けました。
まさに日本でもまれな思想家だったといえます。

とくに幕末時代においては、タイトル通り、様々な人々に
その透明なような思想を与えることで、力を与え続けました。

歴史には三段階の人が存在するといいます。
思想家、革命家、政治家。
まさに横井小楠は、江戸を終わらせ、明治を開いた思想家だったと
いえるのかもしれません。
 
まだまだ小楠の思想には知りたい点が多数あります。
少しずつ著書から学んでいこうと思います。
 
JUGEMテーマ:幕末 歴史
評価:
徳永 洋
新潮社
¥ 734
(2005-01)
コメント:自分の土地ではない殿様に三顧の礼で迎えられた武士が江戸時代、他に居たでしょうか。少なくともこんなに欲された人はいないと思います。

読書 | 23:06 | comments(2) | - | - | - |
坂本龍馬 〜松浦玲〜 岩波新書 読了
龍馬伝で、龍馬が脱皮をする場面を見たから、
別にこの記述をしているわけではありませんので、あしからず。

松浦玲氏の著書には、前記の勝海舟を通じて知り合いました。
史実に忠実であろうとする氏の視点から、坂本龍馬を知りたいと思い、
読んでみましたが、やはりちょっと読みにくいのは否めません。
まあ、岩波新書という媒体だからこその所以もありますが。

けれども、あとがきに、史家としての松浦氏が、
坂本龍馬に寄せた思いを伝える一文がありますのでご紹介。

「龍馬が数えどし三十三で死んだとき、大政奉還をしたばかりの
徳川慶喜は、同じく数えどし三十一だった。慶喜の方が二つ下である。
何かムズムズとしてくる。これを種に書きたいことが、あとからあとから出てきて
収拾がつかず、それまでは『あとがき』にならないのである。
慶喜は七十七歳まで生きたけれども、政治的生命はこのときに終わった。
二つ年長で、あれほどまでも京都の政局に全力を傾注した龍馬が生きていれば、
慶喜の運命は変わったに違いない。
鳥羽・伏見戦争で『朝敵』という追いこまれかたはしなかっただろう。
 後藤象二郎は、約束の小松帯刀が高知に来ないので心配しながら上京すると
龍馬が斬られた後だった。本当に頼りにできるものが京都にいない。
松平春嶽のところに行って訴えても、春嶽は全て分かってくれるけれども、
なかなか動いてくれないのである。また年齢を持ちだすと笑えるかもしれないが、
後藤はこのとき数えで三十歳、龍馬より三つ下だった。
突破力を持つ三十三歳の龍馬の存在は大きかったのである。
永井尚志も中根雪江に対し、龍馬は象二郎よりも一層高大で説も面白いと期待した。
 龍馬を欠く後藤象二郎は王政復古クーデタに加わる。
後藤や土佐勢はよく努力して政変の正確に『公議』を持ちこんだ。
『やわらかさ』を持ちこんだと言えるかもしれない。
龍馬の構想は、いささか生かされた。しかし龍馬自身が生きていればとの
思いを禁じることができない。後藤は巻きこまれた。龍馬は巻きこむのである。」
(以下略)

史家として、幕末の歴史を知れば知るほど、
龍馬の存在が価値を帯びてくるという一例なのではないでしょうか。


坂本龍馬は、1867年に満32年間の生涯に幕を閉じました。
しかしながら、32年間はとにかく多くの人々の媒介に徹した生涯であったと感じます。
確かにそこに様々な思いがあったり、目標がありました。

しかしながら、沢山の人々の思いを実現するために、
現実として、世の中に圧し掛かっている時代錯誤の課題解決を行うために、
徹することによって、滅私奉公をした一生だっと思います。

世の中に生をなすは事をなすため。

この著書には触れられない、坂本龍馬が残したとされる言葉ですが、
まさにその生涯はその思いに始終したように思います。

せめてその雫の一滴でも感じ、想いをいだき人生を歩みたいものだと改めて想います。


 JUGEMテーマ:歴史小説
評価:
松浦 玲
岩波書店
¥ 777
(2008-11)
コメント:一通りの歴史を知っていないと読みにくいです。松浦氏は史実に忠実であろうとすることをその著書のポイントに据えています。初心者には飽きてしまうでしょう。

読書 | 21:00 | comments(0) | - | - | - |
氷川清話 勝海舟 「江藤淳・松浦玲 編」
勝海舟、幕末の歴史を知る上で、必ずすれ違う人物といえます。

まもなく「龍馬伝」で武田鉄也が演じる人です。
その坂本龍馬を導いた、幕末の政治家で、
徳川幕府に属する武士であったにもかかわらず、
日本という広い視野で、世の中を概観していた一人のサムライが
発言した言葉をまとめた書です。

確か、この本を買うのは二度目です。一冊は実家の書棚にあります・・・。
敢えて今買って読んだのは、今の転換期にある日本において、
勝海舟ならばどのように見ているのだろうかと現在を知るヒントを得たかったからです。

読了して感じたことは、江戸末期、明治時代に着想している
勝海舟の視点は、決して21世紀の現在日本でも十分通用するという事実です。

政治に当たっては、経済の妙を十分に認識して政策実行を進めるべきである。
中国は、政治体制の変化に関わらず長い間培われた国民性が力強い原動力である。
政治家は、小手先の政治手法に左右せず、100年の計にそって政治を行うべきである。
今というトレンドに捉われず、自らの志を貫く人こそ、世の中に意義を見出す人である。

勝海舟が語りかける事実は、様々な時代を超えた教訓の数々です。

1603年徳川家康が開いた江戸幕府は、1867年徳川慶喜によって閉じられました。
264年に渡って続いた武士が政治の頂点に立つ時代の幕引きと、
現代につながる出自に影響されない選ばれた人々が政治の頂点に立つ
明治時代の誕生とその発展過程を垣間見ていた彼だからこそ、
また、決して徒党を組むことなく、生涯にわたる特定の師匠も持たなかった
彼だからこそ、様々な人々から、様々な出来事から、
人の生きる術をまとめることができたのだと私は感じております。

逸話の一つとしては、世の中に優れた人を自らの手帳に書きとめていたら、
悉くのその書き留めていた人が自身の目の前で、
世の中を変化させた立役者であったということでした。

勝海舟は、旗本の下級武士の息子として生まれ、貧しい家庭に育ち、
10代は剣術修行で精魂を鍛え、オランダの学問を学び、
海軍を学び、先生の立場になり、日本人として2番目に世界一周を経験、
アメリカに渡った経験が重宝され、海軍の創始者として、
幕末末期の幕府代表者として、新政府と向き合って降伏交渉をまとめ、
最終的には新しい明治政府の伯爵という重役を担います。

彼は、常に自らの利害で判断をすることを潔しとせず、
日本にとってどのような行動がふさわしいのかを貫いて、
政治家として様々な判断をし、多くの人々に示唆を与え続けました。

だからこそ、彼は生涯至誠を貫いて、
江戸城の総攻撃を阻止した西郷隆盛を高く評価し、
幕府時代に統一国家・民主主義の考え方を提唱した横井小楠を
優れた人物として賞賛しています。

この書にも本当に多様な、人生を前向きに暮らしていくための
メッセージが含まれていますが、私がもっとも強い印象を
受けたのは以下の言葉です。

「仕事をあせるものに、仕事の出来るものではない。
せっせと働くさえすれば、儲かるというのは、日傭取りのことだ。
天下の仕事が、そんな了見で出来るものかい。」

「主義といい、道といって、
必ずこれのみと断定するのは、おれは昔から好まない。
単に道といっても、道には大小厚薄濃淡の差がある。
しかるにその一を揚げて他を排斥するのは、おれの取らないところだ。

人が来て囂々(ごうごう)とおれを責める時には、
おれはそうだろうと答えておいて争わない。
そして後から精密に考えてその大小を比較し、
この上にも更に上があるのだろうと想うと、実に愉快で堪えられない。
もしわが守るところが大道であるなら、
他の小道は小道として放っておけばよいではないか。

智慧の研究は、棺の蓋をするときに終わるのだ。
こういう考えを終始持っていると実に面白いよ。」

「人はどんなものでも決して捨つべきものではない。
いかに役に立たぬといっても、必ず何か一得あるものだ。
おれはこれまでの何十年間の経験によって、
この事のいよいよ間違いないのを悟ったよ。」

当然ながら、国家を背負って立つものに向けたメッセージと
捉えられるかもしれませんが、このメッセージは、
広く多くの人々に当てはまるはずだと思っています。

人を尊敬し、様々な人と一緒に世の中を拠り良くしようという
意識で仕事・事業に取り組んでいくには、
これらの意識は必要不可欠だと思います。

私は、まだまだ海舟氏の指南する人物への
入り口にも立っていないことは自明なのですが、
常に、この書を読み返して、少なくとも、
心の中で意識だけはどこかに忘れずに持って、
人生を歩みたいものだと、氷川清書を読みながら感じました。

しばらくはこれを契機にもっと彼の周りに居た
人物の行動、言葉に関する本を読んでいこうと思っています。

もちろん、影響されて日々の行動も少しずつでも
変化をつけて生きたいと思います。

 JUGEMテーマ:歴史小説
評価:
勝 海舟
講談社
¥ 1,050
(2000-12)
コメント:幕末から明治という時代を知るならこの一冊は読むべきです。しかしながらこの時代の一通りの歴史背景を知らないとしっかりと読み込めません。

読書 | 22:24 | comments(0) | - | - | - |
超訳「ニーチェの言葉」白取晴彦編訳 読了
フリードリヒ・ニーチェの言葉を現代人でも十分に理解されるように
訳され編集された著書です。
心の中に突き刺さる言葉の数々ですが、決して厳しくなく、とても優しい。
だからこそ、100年以上も多くの人々に影響を与えている哲学者なのでしょうね。

この本は10のテーマでニーチェの言葉がまとめられています。

1.己について
2.喜について
3.生について
4.心について
5.友について
6.世について
7.人について
8.愛について
9.知について
10.美について

哲学者の言葉は難しいのではないかと、そんな先入観があった私ですが、
この本を手にとって最初のいくつかの言葉を読んで、解説を読むうちに、
思わず、ニーチェの世界に取り込まれていきました。

1.己について
001.初めの一歩は自分への尊敬から
 自分はたいしたことがない人間だなんて思ってはならない。
 それは、自分の行動や考え方をがんじがらめに縛ってしまうようなことだからだ。
 (以下略)

このような、力強くも愛情が感じるメッセージに溢れた本です。
ネットなんかの話題では、20・30代の人々が多数買い求めているということですが、
その理由はとても強く感じました。

ニーチェの言葉の節々から、他人ではなく自分と向き合うことの
大切さを様々な局面から、一つの言葉にまとめられているのを
読んでいくたびに、自分自身の心を打つものが多々ありました。

私は、このニーチェの232の言葉の中でも、
以下の言葉が強く印象に残りました。

読書ブログを書いているからこその注目の言葉です。

183.読むべき書物
 わたしたちが読むべき本とは、次のようなものだ。
 読む前と読んだあとでは世界がまったくちがって見えるような本。
 わたしたちをこの世の彼方へ連れさってくれる本。
 読んだことでわたしたちの心が洗われたことに気づかせるような本。
 新しい知識と勇気を与えてくれる本。
 愛や美について新しい認識、新しい眼を与えてくれる本。

185.古典を読む利益
 おおむね読書はたくさんの益をもたらしてくれる。古典は特に滋養に富んでいる。
 古い本を読むことで、私たちは今の時代から大きく遠ざかる。
 まったく見知らぬ外国の世界へ行くこともできる。
 そうして現実に戻ったとき、何が起こるか。
 現代の全体の姿が今までよりも鮮明に見えてくるのだ。
 こうしてわたしたちは、新しい視点を持ち、
 新しい仕方で現代にアプローチできるようになる。
 行き詰まったときの古典は、知性への特効薬だ。

213.よく考えるために
 きちんと考える人になりたいのであれば、最低でも次の三条件が必要になる。
 人づきあいをすること。書物を読むこと。情熱を持つこと。
 これらのうちのどの一つを欠いても、まともに考えることなどできないのだから。

沢山の示唆に飛んだメッセージがありましたが、
まず第一に、読書を通じて自分を高めていくことを、今年の目標に
掲げた自分にとっては上記の言葉をテーマにしたいと思いました。

ニーチェが言った言葉ですが、沢山の歴史上の人物が、
歴史的な書物が表現しているメッセージと似通った部分が多々あります。
つまり、人間が生きるうえで必要不可欠なテーマは、
時を超えて変化しないものが存在しているという事実です。

だからこそ、それを無視しても、世の中に意義を残すことができないばかりか、
自分自身の人生に意味を見出せないまま、
死を迎えてしまう結果になってしまいます。

この言葉をたまにはつぶやきながら、真摯に日々を送りたいと思います。

051.いつかは死ぬのだから
 死ぬのは決まっているのだから、ほがらかにやっていこう。
 いつかは終わるのだから、全力で向かっていこう。
 時間は限られているのだから、チャンスはいつも今だ。
 嘆きわめくことなんか、オペラの役者にまかせておけ。

JUGEMテーマ:精神世界の本 
評価:
白取 春彦
ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥ 1,785
(2010-01-12)
コメント:私には1度ではとても心に受け止めることができません。何度も読むことで少しずつ自分のものとしていけるように精進したいと思います。

読書 | 21:53 | comments(0) | - | - | - |
稲盛和夫の哲学(稲盛和夫著) 読了
稲盛和夫氏が「人は何のために生きるのか」をテーマに、
人間の存在と生きる価値についてまとめられた著書です。

初めに、稲盛さんは65歳で在宅出家され、
禅宗の信者として、仏教を信心していらっしゃいます。
書かれている内容が宗教臭いという価値判断をしながら、
この本を読むのであれば、最初から読まないほうがよいと思います。お断りを。

読了して、私が感じたことは、今だからこそ、日本でかなりの
知名度がある、日本の傾きの象徴のような日本航空の経営再建のために、
CEOの重責を受けられたのだなあと思いました。

この本でも稲盛氏は随所に触れられていますが、
50歳を超えてから、死ぬことを不思議に恐れなくなったそうです。

「生命の不滅を信じ、死とは肉体が消えるだけで、私自身の
魂は永遠だと思っています。また、その魂を磨きつづけなければ
ならないと考えています。」と著書は締められております。

つまり人間の生きる意味の究極的なものは、
自分自身が与えられた生命を磨き続けて、次の人に
よりよい魂を渡すことだとこの著書ではおっしゃっています。

私はこの本を読み終わって、司馬遼太郎氏が「竜馬がゆく」の最後で
坂本龍馬氏を表現した言葉を思い出しました。

「天に意思がある。としか、この若者の場合、思えない。
天が、この国の歴史の混乱を収拾するためにこの若者を
地上にくだし、その使命がおわったとき、惜しみげもなく天へ召しかえした。」

確かに、人間は一生になせることは人によって大小それぞれ違うでしょう。
歴史に名前を残す人もいれば、残すことがなくひっそりと亡くなる方もいます。

しかし、稲盛氏は、この著書の中でさまざまな科学的根拠を挙げながら
語っているように、すべての生き物、いや物質には存在理由が有るのだと。

少なくとも、生きていたって意味がないと考えながら毎日を送るより、
自分自身は地球全体に必要とされているから、今日生きているんだと
強く思いながら生活したほうが、前向きになれると思います。

そういった当たり前のことですが、現代に生きる人々が
とかく忘れがちなことを、稲盛氏は懇切丁寧に、
自らの人生、そして技術者として経験を積んできた知識から解説されています。

特に繰り返されていることは、お釈迦様が説いた6つの修行です。

1.人様のために尽くしなさい(布施)
2.足るを知って戒律を守りなさい(持戒)
3.耐え忍びなさい(忍辱 ニンニク)
4.働きなさい(精進)
5.心を鎮めなさい(禅定)
6.そうすれば智慧にいたる(智慧)「物事をありのままに捉え、真理を見極めること」

という姿勢を持って、他人を慈しみ人生を歩むことが、
結果的に自分自身にとって、もっとも安寧な生き方であり、
自らを磨いていくことにつながると、説かれています。

古臭いと思う人もいるかもしれませんが、
現実問題、これらの姿勢は、日本では幕末以後明治からあまり
人々の生活の中で大切にされていないように感じます。
だからこそ、数十年周期で上り下りを繰り返している日本が
続いていると考えることもできるような気がします。

この著書の導入に書かれているのは、
ビッグバンから宇宙が始まっているとして、
その始まりが一つの素粒子からの変異であらゆるものが生まれているとすれば、
全てのものは何らかの形に進化していくのが必然ではないかと、
稲盛氏は定義されております。

人間でも、常に前向きな人と後ろ向きな人は、
周りに寄ってくる人々が変わってきます。

少なくても「意識」としては、一つ一つの宇宙(人生という)を
拡げていこうという意思を持って、
毎日を送っていくことが、よりよい明日につながると考えて
生活をしていきたいと、この著書で改めて考えさせられました。

とはいえ、稲盛氏が説かれた「哲学」のポイントは、
まだまだ自分の中で、完全にまとまっていません。
これは人生としての課題かもしれません。

JUGEMテーマ:ノンフィクション
評価:
稲盛 和夫
PHP研究所
¥ 500
(2003-07)
コメント:宗教を信じる人だからといって怪しいという先入観があるならば読まないほうが良い本だと思います。深く考えずに読んでください。

読書 | 23:18 | comments(0) | - | - | - |
ユダヤの商法 -世界経済を動かす- 藤田 田著 読了
ご存知、日本マクドナルドの創業者、「藤田 田」氏が書いた 
1972年に刊行され、1983年にはなんと212版も発行されるほどの
ベストセラーになった、「ユダヤの人の商い」について書かれた本です。

この書籍を知った理由は何かのブログかだったのですが、
1970年代にこの書籍を読んだ「孫正義」氏は、
藤田 田氏に一目合うたびに、何度も門前払いをされたにもかかわらず、
結果的に出会い、そこでコンピュータの重要性に気がつき、
ビジネスを始めたとのエピソードを知ったことからです。

ユダヤ人といえば、いろいろなエピソードが語られますが、
たくさんの世界で影響力を、長い年月にわたって維持していることを
考えても、至極シンプルな理念を追求している存在であるはずです。

藤田氏は、ユダヤ人は宇宙の原則に基づいて
生活を行っていることを、ビジネスの手法という観点から解説しています。

基礎になっている法則に「78対22の法則」というものがあります。
正方形とその正方形に内接する円の関係は、
円の面積が78.5に対して、残りは21.5になります。
(円の面積は、5×5×3.14ですね。正方形の面積を10×10とすると。)

空気中の成分は、窒素78に対して、酸素等が22の割合になり、
人間の身体の水分は78%に対して、その他の物質が22%で構成されています。

(他にも、肺呼吸と皮膚呼吸の割合も78:22、また体内の善玉菌が78に対して、
悪玉菌が22になったりするだそうです。 著書以外のネット調べ)

これを前提として、お金を貸したい人が78人いるのに対して、
お金を借りたい人は22人に過ぎないということを、
富裕層は22に対して、非富裕層が78であるといった形で、
ユダヤ人の法則をベースに藤田氏は、法則つけていたとのことです。

ユダヤ人の商法として重要なことは触れられている点は以下のとおりです。
(著書の一部は省略しています。)

1.生活の中に数字を持ち込め
2.金に色はない(きれいな金・きたない金はない)
3.現金主義に徹しろ
4.女を狙え
5.口を狙え
6.自国語以外の語学力をつけろ
7.暗算を得意にしろ
8.必ずメモをとれ
9.雑学につよくなれ
10.今日のケンカは明日に持ち越さない
11.辛抱よりは見切り千両
12.社長は売れる会社をつくれ
13.契約は神様との約束である
14.契約書も商品である
15.税金分だけ余計に儲けろ
16.時間も商品(時を盗むな)
17.アポイントを取れ
18.未決書類は商人の恥だ

耳の痛い言葉ばかりだと私は感じます。

ユダヤ人は優雅な食事にするために、儲けを追及した
仕事に精を出すそうです。

日本人が働くために食べるのとは正反対に。

人間が生きる理由には、様々な見方が存在するでしょう。
しかしながら、毎日長い年月にわたって、
自分の力を精一杯に出していくためには、
シンプルな法則を貫き、一定のリズムで日々を送っていくしか
安定した満足な生活を送ることは難しいと思います。

困難なことがあっても、素晴らしく幸せなことがあっても、
常に自分が信じている原点に戻るような生活を
繰り返しながら、人生を積み重ねていくこと、
簡単なようなことを一つ一つ実践していくことしか、
成功はないのだということを考えさせられた一冊でした。

ここのところ、経営者が書かれた本を読んでいるのですが、
ビジネス云々よりも、生き方に学びを多く得ているように感じています。


JUGEMテーマ:ビジネス
評価:
藤田 田
ベストセラーズ
---
(1972-05)
コメント:3000円超でも買う価値はあると思います。当時大ベストセラーになって多くの人々が買ったわけですが、現在も実践する人はソフトバンクの孫社長です。
Amazonランキング: 7067位

読書 | 11:20 | comments(0) | - | - | - |
敬天愛人 (稲盛和夫氏 著)読了
JALの会長に就任したことで、注目を集めている経営者でもある、
京セラの創業者、「稲盛和夫」氏の著書です。

タイトルは、西郷隆盛の言葉であり京セラの社是だそうです。
意味は、「天は道理であり、道理を守ることが敬天である。
また人は皆自分の同胞であり、
仁の心をもって衆を愛することが愛人の意味である。」と書かれています。

まさに稲盛さんは、事業に取り組むに当たって、
常に人々に有益なものであるか、天から照らして間違っていると
思われない行いであるかを常に考えていらっしゃいます。

その思いが、様々な行動の結果として伝わってくる経歴の数々が記されています。

貧しい家庭環境の中、地元の鹿児島大学を卒業するも、
就職難の時代で、赤字続きの中小企業に就職をした稲盛氏です。

研究課に配属されるのですが、同期は会社の将来性に希望を感じずに、
皆辞めて行き、最後に残った一人で、開発・営業・マネジメントをこなし、
会社の重要な収益源として、ニューセラミックの事業を発展させます。

しかしながら、会社の方針で急に部署移動を迫られ、
それを機に、これまで一緒に仕事に取り組んできた人々とともに
27歳で会社を立ち上げます。

2年が立つと、入社したばかりの新入社員は、
粗悪な環境で高い給料ももらえない中で、
不満がたまり、処遇改善を求めて直談判してくる状況になりました。

これまで自らの夢に捉われて仕事をしていることに気がついた稲盛氏は、
従業員が幸せになれる企業、人類・社会の発展進歩に貢献できる
企業になることを経営理念として、事業に邁進します。

そして、それまで技術者畑を歩んできた稲盛氏は、
経営的な判断に悩む局面を迎えますが、常に、
何が課題の根本的な問題なのかと突き詰めて、「原理原則」を追求して、
経営判断を行っていくことを貫いていきます。

結果として、他社にぶれない経営環境を築き、
アメリカでも論理的なビジネスを展開することで、
他の日本企業よりもスムーズにマーケットを拡大させることに成功します。

また、常に他社や他の人々が挑んだことがない課題にチャレンジする
姿勢を全社で貫くことで、その達成感を最大の報酬として、
社員に報いていく仕事のやり方をグループ全体の醍醐味にしていきました。

半導体部品に関わる事業に留まらず、消費者向けの商品、
通信事業など、多くの人々の生活が便利になるような
サービスの提供を行うようになりました。

そのような事業を、利益を生み出すもの、名誉を築くものとしてではなく、
沢山の人々を思いやる心で行うからこそ、
天に思いが届き、成功するのだと稲盛氏は説いています。

65歳からは自分の哲学を高め、心を高めることに集中したいと
著書では願っていた稲盛氏ですが、
78歳になり兆円単位での負債を抱える日本航空の経営者として、
ビジネスの舞台に戻ることになりました。

組織が大きいから、借金が大きいから、これまで長年利益体質ではなかったから、
JALは再生するのは難しいだろとうと多くの人が言います。

私は、稲盛会長の思いがすべての日本航空社員に届き、
各社員が一人ひとりの自分の意識として、人々を思いやる気持ちに
満たされて仕事をする環境になれば、必ず企業は再生すると思います。

もちろん、課題が大きいことはわかりきったことです。
しかしながら、逃げていても何も解決しません。

これは、日本という社会全体にも言えることかもしれません。
いろいろなことに不平不満を並べて、何もしなければ何も変化しません。

大切なことは、自らが行っていることがお天道様に誓って正しいと思うならば、
誰がなんと言おうとそれを貫いて、多くの人々と一緒に
仕事をしていこうという意思をもつかどうかだと思います。

飛行機好きとしても、一九州人としても、
これからの稲盛会長からのメッセージに耳を傾けていきたいと思います。

JUGEMテーマ:ビジネス
評価:
稲盛 和夫
PHP研究所
¥ 460
(2006-03)
コメント:文字が大きかったです。びっくり。稲盛さんという方を始めて知りたいと思う人にはとてもわかりやすい一冊だと感じます。

読書 | 00:31 | comments(0) | - | - | - |
Googleの正体 「牧野武文著」 読了
Google、現在となってはかなり大きな存在となって、何が彼らの目指すものかを
理解できていない人々も多いのではないでしょうか。
そんな方にお勧めの新書です。価格も800円程度ですので、
Googleを頻繁に使っている人には一読の価値ありの本だと感じました。

この本の導入部にもありますが、
Googleは最近TVCMもかなり頻繁に行われておりまして、
普段利用している人にとっても、あまり使っていない人にとっても、
わかるようなわからないような、近いような近くないような、謎の部分が多数有ると思います。

この著書は、そのビジネスモデルや使命感、創業者や
インターネットという存在の意味などの側面から、
Googleをわかりやすく噛み砕いています。

まずは、消費者が積極的に「検索」という行動を取ることによって、
TVなどの情報を一方的に受け取るだけの人々から変化したことを
上手く活用した、検索連動広告というビジネスモデルについて説明されております。

次にそれをさらに多くの人々に利用されるような意味を持つ、
携帯電話アンドロイドなど、幅広いインターネットアクセス環境拡大を目指した
事業モデルについて解説されております。

その根底として流れているのは、
Googleのミッションの第一番目に謳われてる
世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする
という大きな使命を実現するために、上記のビジネスが必然的に不可欠な
事業であることを解説されております。

端的に言えば、インターネットに様々な情報を収集・整理し、
世界中のあらゆる人々がそれを活用して生活することを目的としているのが、
Googleの使命感なのです。

彼らは、そのインフラであることをその役割としているので、
様々なインターネット上のサービスを無償で提供し、
ユーザーを集め、その情報を整理することによって、
ビジネスでインターネットの資源を利用している企業から、
収益を得ているのが、その実態だとのことです。
(もちろん、逆に収益が見込めるからこそ、
サービスが無償で提供できるのですが。)

インターネットが世の中に普及する前、あるいは現在も普及していない国では、
様々な情報に触れようとすれば、多くの手間と時間とコストがかかります。

例えば、北海道の小学生が、沖縄にいる小学校にある
珊瑚の写真集を見ようと思えば、その在り処を知ることから大変ですし、
貸出しが出来ない本であれば、実際に現地に足を運ばない限り、
目にすることすらできなったわけです。

しかしながら、インターネットに公開された情報であれば、
世界中の人々はインターネットにつながるコスト・手間を払えば、
それ以外のコストも時間も掛けず、情報にアクセスすることが可能になります。

だからこそ、人々は、多くの情報をうまく組み合わせて、
新しいものを生み出すこともできますし、
より多くの人々が仕事をする機会も平等化されるはずです。

もちろん、そのことによって逆に先進国と呼ばれた人々の地位は
相対的には、低くなり途上国の優秀な人々に仕事を奪われる可能性もあります。

だからこそ、中国政府とGoogleが対立している側面があるように、
インターネットと国家というこれまでの枠組みが大きく対立するような
局面もいろいろな点で発生しています。
これまでのスケールではカバーしきれないのが、
インターネットの偉大性ですので。

また、様々な情報をインターネットを経由して、自分以外の
企業や個人に提供することが可能になるため、
各個人の創造性が減少する側面もあるかもしれません。

端的に言えば、文通をして、相手のイメージを膨らませていた人は消え、
インターネットを通して、相手の動画を知ることが出来るように
なったことで、文面から相手の雰囲気を考える機会が減ったなどもありえます。


人々は、常に新しいツールを使うことで、生き方を変化させてきました。
たまたま、現在にはそれがインターネットという存在で、
その一翼を担っているのがGoogleという存在であるとの認識が
著者がこの本で指摘しているテーマなのではないかと感じました。

だからこそ、Googleのあり方に注意を払い、
どのようなサービスが提供され、どのような関係者が存在するのかを
知ることで、インターネットの意義・意味を考えることが、
できるのではないかといったことを著者はまとめています。

私自身、Twitterをやりながら、ただただタイムラインを
眺めることだけで終わってしまっていたことに気がつき、
携帯電話のお気に入りから削除しました。

インターネットは日常生活になくてはならないものになっています。
だからこそ、たまには立ち止まって、自分自身、どのように
インターネットと関わっていきたいと思っているのか、
考えてみてもよいのではないかと思えた良書でした。

JUGEMテーマ:ビジネス
評価:
牧野 武文
毎日コミュニケーションズ
¥ 819
(2010-01-23)
コメント:とてもわかりやすくまとまった新書だと思います。ネット初心者の方にもお勧めのGoogle本です。

読書 | 23:59 | comments(0) | - | - | - |

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