ふがいない僕は空を見た 鑑賞
「僕たちは、僕たちの人生を、本当に自分で選んだか。」
本屋大賞二位になった小説が原作のこの映画は、大切なシーンで、いくつかの文が表示されます。
上記は、そんな文のなかで最も響いた言葉です。
子供を産みたいと願っていても、子供を授からない夫婦の割合は、増える傾向にあります。
http://toyokeizai.net/articles/-/13776
一方で少子化が進み、子供を期待する不妊に悩む夫婦の周りのプレッシャーは高まる傾向が生まれるは否めません。
そんなとある不妊治療に励む専業主婦と、彼女が援助交際した男子高校生が主人公の映画です。
高校生のお母さんは、助産院を営む助産師さんです。
彼は、分娩を手伝い、妊婦さんを身近に感じています。
そんな彼が、旦那がいる女性にお金をもらいセックスを重ねることに当初は自責の念を働かせ、交際をやめようと彼女に伝えます。
一方、彼女は子供ができない事実を自分のこととして深く考えない旦那と、孫が欲しくて仕方がない姑のプレッシャーに押しつぶされ、唯一の救いとして、高校生とのセックスを求め続けます。
この映画では子供を産むことに関する視点として、不妊夫婦だけではなく、
貧しい暮らしの中で、親に十分な愛情を得られなかった子供を映し出すことで、多面的な視野を与えています。
親に恵まれない子供、子供に恵まれない親、
鶏と卵のように、どちらが本当の問題なのかはわかりませんが、
そこに不足しているものの一つが愛情であるよね、という問題意識を受けたストーリーでした。
親は子供を選べないし、子供は親を選べない、そんな当たり前の事実ですら、どこか見過ごされてしまっているのではないかと思えるニュースは沢山あります。
社会的に女性の社会進出が進む中で親子の関係も徐々に変化しつつあります。
けれども、この映画で問われていたのは、パートナーとしての男性の役割ではないかと感じました。
子供を産むという行為は女性にしか出来ないからこそ、男性はそれ以外の部分を支えるように、これまでの社会は形作られてきました。
しかし、女性が当たり前のように働き、シングルマザーも増え、子育てする女性への負荷は必然的に増えています。
だからこそ、子供を作った相手である男性は、女性に対して何が出来るのかを、少し余分に想像することが大切だとこの映画を垣間見て改めて感じました。
私は、パートナーもおらず、子供が出来る予定は全くありませんが、
女性への視点に今一度愛情を持たなければと反省させられました。
評価:
--- TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) ¥ 3,681 (2013-04-21) コメント:これから結婚しようと考えている男性にみてほしい。 |