黒木町日記

実家のある福岡県の黒木町。2010年2月1日をもって、
八女市に吸収され、名前も聞く機会もめっきり減りました。
ちなみに、管理人は東京都暮らしを経て長崎県在住です。
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China2049-秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」-マイケルピルズベリー著 読了。
評価:
マイケル・ピルズベリー
日経BP社
¥ 2,160
(2015-09-03)
コメント:中国とアメリカの今がどんな考え方で関係性を維持しているのか、根本的な点を知るためには非常に優れた著書である。今後の中国との付き合い方への指南も秀逸。

毎度、議会前の質問準備中に読書が進むダメな人間である。

 

自分自身をポジティブすぎず、ネガティブすぎずに制御する。

他者を恐れすぎず、接しすぎずに付き合う。

古今東西、どんな人間・組織にとっても非常に難しいことである。

 

マイケル・ピルズベリーはこの本「China2049」において、

中国を正しく恐れ、正しく敬意を払い、正しく付き合うには、

アメリカはどう振る舞うべきなのかを、

中国に対して自らはこれまで賞賛すぎていたと反省し、

事態の変化によってポジションを変えた結果として、

アメリカと中国について現状分析を踏まえて指摘している。

 

私は、三国志演義の物語についてはうる覚えだし、

アメリカが中国に対してどういった考え方で政治経済の

関係性を維持しているのか、この本を読むまで、

定まった見解は存在しなかった。

 

しかし、この著書を358ページまで読み終えて、

まず初めの感想は、中国の歴史を今一度学び、

それを日本の今後に役立てたいという率直な想いである。

 

世界で多くの人が認識している通り、

今や中国は世界的な経済成功を成し遂げている国である。

その影響下で、アメリカに変わって覇権を握ろうと、

世界中の国と同盟関係を結ぼうとしているのも事実だ。

 

第一次世界大戦以後続いてきた、

欧米の軍事的経済的成功国が、植民地支配を行う前に

中国やインドが世界的な覇者であった時代を

取り戻そうとする意識が、中国を突き動かしているという、

ピルズベリー氏の指摘は一見当たり前のようで、

案外見過ごしてしまっている大きな事実である。

 

日本に住む我々も、第二次世界大戦の敗戦国という自意識は低く、

中国や韓国、その他の国が日本という存在をどう見ているのか、

客観的に踏まえることができていない事実も、

その辺りに存在するのではなかろうか。

従軍慰安婦問題しかり、靖国参拝問題しかり。

 

「世界覇権100年戦略」という副題が示す通り、

中国は1949年の中華人民共和国建国100年を目標に、

アメリカに変わって世界の覇権国家となるべく、

様々な戦略を目に見えない形で遂行しているというのが、

マイケル・ピルズベリー氏が本著で訴える肝である。

 

その内容については本著を読んで頂く他にないが、

覇権を得ようとする中国にアメリカはどう向き合うべきなのかという、

本著最後の結論は、様々な教唆を読者に与えてくれる。

これは、中国とアメリカの関係だけではなく、

その間に挟まれた日本にとっても非常に有意義な指摘である。

 

著書のエッセンスを紹介するのはブログには適さないかもしれないが、

内容は本を読まないとわからないので、以下タイトルだけ示したい。

 

第一段階:問題を認識する

第二段階:己の才能を知る

第三段階:競争力を測定する

第四段階:競争戦略を考え出す

第五段階:国内で共通性を見出す

第六段階:国家の縦の協力体制を作り上げる

第七段階:政治的反体制派を守る

第八段階:対米競争的行為に立ち向かう

第九段階:汚染者を突き止め恥じ入らせる

第十段階:汚職と検閲を暴露する

第十一段階:民主化寄りの改革をサポートする

第十二段階:中国のタカ派と改革派の議論を監視し支配する

 

第十二段階の説明として、シンガポール建国の父と呼ばれる

リー・クアンユーが中国に対して冷静に分析を行っており、

その正しい予測の下で国を率いていたことを記している。

 

アメリカが第二次世界大戦を戦った時、

日本の文化について相当に研究を行い、

戦わずして勝つための布石を打ったことは知られている。

 

今、中国は同じように自国の数多の政争からの知恵を踏まえ、

どのように、目に見えない形で覇権を得ようかと、

敵になる勢力を冷静に分析しながら隠密に行動している。

もちろん、敵を油断させる派手な作戦を行いながら。

 

それに乗せられることなく、アメリカがどう行動するべきかを

説いた上記の12の戦略は、最も中国に乗せられているかに見える、

日本人こそ学ぶべき視点なのではなかろうか。

 

我が国は、有史以来文化を中国大陸から学んできた。

経済も社会統治の仕組みも、様々に影響を受けている。

 

今、改めて人間の生き方も現実社会に学ぶのではなく、

歴史を紐解いていけば見えてくる価値観が多いのではないか。

特に、日本と中国の関係性の歴史にこそ。

アメリカの戦略を指南する本でありながら、

日本人の今後にも大きく示唆を与える良著だったので、

ついつい駄文を連ねてしまった。

 

刊行後時間は経過しているが、一読に値する本であることは間違いない。

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

読書 | 23:59 | comments(0) | - | - | - |
技術者たちの敗戦 前間孝則著 読了。どうして日本組織は戦いに負けやすいのか?

私自身は技術者ではないし、
技術者と一緒になって働いたこともないけれども、
技術で世の中にないものを作り出そうとする人には、
非常に魅力を感じる。


何故ならば私には絶対にできないからだ。

ホンダジェットの開発についての著書を読んで、
ジェットエンジン開発者であったその視点の鋭さが気に入って、
前間氏の本を再び手にしてみた。


この本は、戦時中から戦後を生きた技術者たちに
前間氏が直接インタビューをしてその功績を綴ったものである。

 

三菱重工にて零戦を作った「堀越二郎」、「曾根嘉年」
C62蒸気機関車、そして新幹線を作った「島秀雄」
画期的な造船法を編み出し、後にNTTを民営化させた「真藤恒」
海軍にレーダー開発に携わり、後にNECなどで研究開発を率いた「緒方研二」
戦時中にジェットエンジンを試作し、後にホンダF1世界制覇を導いた「中村良夫」

 

これら6人の戦時中から戦後にかけた開発史と、
彼らが籍を置いた企業に関するエビソードがあふれた著作である。


ただ、事柄を淡々と紹介するだけではなく、
どうして彼らが世の中に知られるような物事を生み出せたのか、
その要因分析も明確で、現代社会に通じる考え方も提示されている。

 

それぞれのエピソードを紹介するときりがありませんので、
技術者について、もっとも本質的な指摘をされている部分を引用し、
前間氏の問題意識の一端をご紹介したい。

 

(以下、第4章「なぜ日本の「電探」開発は遅れたのか』より引用)

現在でもそうだが、基礎研究段階を経て
実用的な製品開発へと向かう過程でよく問題となることがある。
それは研究と具体的な製品開発とは仕事の性格が異なるということだ。
それだけではない。

 

基礎研究を担う研究者と製品開発(モノづくり)を
担当する技術者の性格も得手不得手も、能力の発揮の仕方も、
重きの置き方もまた、不思議なほど異なるのである。

 

乱暴にいってしまえば、研究者は理論的、原理的あるいは
現象的なことそのものには興味をもつが、
そこで発見された新しい成果を利用して、具体的な製品をつくるとか、
チームでまとめあげるといった実用化の作業となると、
あまり興味を示さない場合が少なくない。

 

もっといえば、抽象的で空想的なことを思いめぐらせて、
計算したり実験したりして理論を明らかにすることは好きでも、
生産設備を使ったりして実際に具体的なモノづくりのため、
チームワークを尊重して、まとめあげる段階になると
とたんに興味を半減させ、また不器用で、
機転が利かず、なかなかうまくいかない場合が多いのである。

 

その人のもともとの性格もあるだろうが、
仕事が人間をつくっていくというか、
いつの間にか仕事に対応した性格を身につけてきて、
興味の対象や重きの置き方のちがい、
それに勘の働き方や得手不得手がどうしても出てくるのである。

 

このため、両方の資質を兼ね備えている人物は少なく、
餅は餅屋に任せるべきであるというのである。

ところが往々にして、これがなかなか難しい。
バトンタッチする時期が、早すぎても遅すぎてもいけない。

 

その時期を誤ると、結果として開発が遅れたり、失敗を招いたりする。
だから、研究者と開発技術者との役割分担、
あるいは前者がいつの時点で製品開発を担う後者にバトンタッチするか、
そのタイミングが重要であるといわれている。

(引用終わり)

 

電探というのはレーダーのことであり、
アメリカやイギリス、そしてドイツと比べても、
第二次世界大戦中の日本軍のレーダー技術開発体制は
著しく遅れていて、戦局の明暗を大きく分ける結果となった。

 

航空機による攻撃が中心になったことイコール、
レーダー探知技術が発達しているからこそ、
遠隔地に対して効果的に爆撃を行うことができる。

そんな今となっては当たり前の事実であるが、
戦時中の日本軍は、頭脳の追求を求める体制を作ることなく、
とにかく敵に向かって攻撃を行えば良いという
「攻撃は最大の防御」という思想に囚われすぎていた。

 

もちろん前提としては海軍、陸軍の研究連携ができていない、
研究所での想定過程と現場での運用過程の連携ができていない等、
様々な要因はあれども、虚心坦懐に勝つためにはどうすれば良いか、
その冷静さを欠いたまま闇雲に戦争を行なっていたことが、
最大の電探開発の遅れ、そして敗戦の要因であるようだ。


時は、それから70年以上が経過し、
現在は戦時下ではないし、日本が積極的に他国との
戦争に足を踏み入れることはすぐにはないだろうが、
周辺には武力で領土維持を図ろうとする国が存在している。

 

ミサイルが飛んでくる可能性がある現実に、
安全な建物に避難してくださいと対処療法的に政府が呼びかける現実を見て、
レーダー探知の失敗事例を嗤うことができるのだろうか。

 

我々日本人は、感情論によって物事を判断する時、
多くの場合は、痛い目にあってきた歴史を何度も繰り返している。
いや、別に日本人に限らず人間が形成する組織はそうかもしれない。


もう少し、客観的なデータを重んじて、
自らの創造性を信じ、他国との開発競争を乗り越えようと奮闘する
技術者、科学者の声に耳を傾けようとすることが、
改めて日本人の底力を発揮するために必要なのではないか、
前間氏のメッセージは、私の胸にとても強く響くものであった。

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

評価:
前間 孝則
草思社
¥ 886
(2013-08-02)
コメント:あの国は独裁国家だ、そうレッテルを張る前に、冷静にミサイルを開発する仕組みを研究することからしか戦争は防げない。それをこの本は伝えてくれる。

読書 | 00:57 | comments(0) | - | - | - |
企業トップのデザイン観 浜野安宏著 読了。
評価:
浜野 安宏
講談社
---
(1985-06)
コメント:中内功さんの功績については今となってはダイエーの失敗ばかりが目立ってしまうが、改めて流通業界を大きくリデザインした人物だということがこの対談で明らかになっている。古くても読む価値がある良い対談集である。

浜野安宏氏との対談者(肩書きは昭和60年6月刊行当時)

 

大賀 典雄氏(ソニー株式会社代表取締役)

佐治 敬三氏(サントリー株式会社代表取締役社長)

松下 正治氏(松下電器産業株式会社取締役会長)

中内    㓛氏(株式会社ダイエー代表取締役社長)

山中  隼瓠奮式会社松屋代表取締役)

福原 義春氏(株式会社資生堂専務取締役)

江副 浩正氏(株式会社リクルート代表取締役)

杉浦 英男氏(本田技研工業株式会社取締役会長)

鬼塚 喜八郎氏(株式会社アシックス代表取締役社長)

 

商品から建物、街の設計まで、

様々なデザインのプロデューサーとして、

民間企業をクライアントとしてきた浜野氏の

人脈のすごさを感じさせる錚々たるメンバーが並んでいる。

 

この著書は、浜野氏が創刊から第4号まで編集長をしていた

デザイン誌「AXIS」に不定期連載されていたシリーズを

もとにして企画された企業トップのデザイン観を、

リラックスした雰囲気の中で、インタビューしたものである。

 

 

すでにこの本が刊行されて32年が経過しているし、

ここに記されている内容が陳腐化している部分ももちろんある。

しかしながら、企業トップがデザインに対して

十分な理解を要する必要性は現在も変わらない。

 

むしろ、長期にわたって経済環境が低迷しており、

消費マインドが乏しい状態が続くからこそ、

どうやって需要を喚起するか、そのポイントして、

デザインを理解することが問われることは必須であろう。

 

例えば、以下のポテトチップス新商品開発を巡る

ニュースを読んでみても、それは明確である。

55年間販売されてきたポテトチップスにおいても、

そのパッケージデザインだけでお客様に、

店頭で手に取っていただきやすい余地があったのだ。

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1707/26/news012.html

 

 

商品に関するデザイン、マーケティングに関するデザイン、

そして、企業イメージに対するデザインなど、

お客様が商品・サービスを選ぶ選択肢において、

デザインが決定権を握っている側面は非常に大きくなっている。

 

もちろん、それはこの著書に記された経営者が

高度経済成長期以降、日本社会の変遷に合わせて、

様々な取り組みを行ってきたからこそ得られた結果でもある。

 

それから30年以上が経過して、IT技術の進展や

グローバルなブランドの進出などが起きているが、

商品・サービスの差別化において、

デザインの力が減少する事態どころか、ますます重要になっている。

 

例えば分かりやすい例を出せば、スマートフォンは多くの

企業がラインナップを行っていても、

日本ではまだまだiPhoneが高い市場占有率を有するのは、

本体はもとよりサービスまで含めたデザイン一貫性に要因がある。

 

この著書の刊行から32年が経過した2017年現在、

ソニー、サントリー、パナソニック、イオン(ダイエーを吸収)、

松屋百貨店、資生堂、リクルート、ホンダ、アシックス、

これらの企業は影響力の変化はともかく、

日本の消費者に何らかの消費行動を促す

ブランドデザインを提供し続けている。

 

一例を挙げると流通業界でプライベートブランドを大きく始めたのは

ダイエーであるが、イオンにおいても大きな収益源であり続けている。

(この原点は、小売りがメーカーというデザインを廃したとも言える。)

 

この本に取り上げられている8人の経営者それぞれ、

デザインについては、企業独自の価値を高めるものとして、

それぞれの視点で重要性を語っているので、

全てを紹介しても良いのである。

それをするとキリがないので、今でもデザインセンスの優れた

リクルートの創業者である江副氏と浜野氏の対談をご紹介したい。

 

(以下、本文197p-198pより引用)

 

江副社長ー

話は変わりますけれども、多少、私の話をさせてもらえば、

ぼくは仕事を始めてちょうど三年目ぐらいの若い時分、

旧中島邸という下宿屋で、酒の味がわかるという連中が

五人ぐらい集まりまして、ビールのブランド・テストを

やろうじゃないかということで、

味覚心理学をやっているやつがいたんです。

 

舌がどの程度わかるか。

それから、温度が上がれば甘味を強く感じるとか、

ある程度下がっても強く感じる。

 

そういう味覚を専門にする心理学の大学院の学生がいまして、

そいつが、それじゃみんなにおれがテストするといって、

当時、サントリーはなかったですけれども、

キリンとアサヒとサッポロを飲み比べしたんです。

 

被験者が五人いまして、全然わからないんですよ。

確率的に見るとだれもがわからない。

みんなわかっていると思っているわけですよ。

おれはこんなのわかるよと言いながらだれもわからないんですね。

 

10回ぐらい何回も何回も回し飲みさせるわけで、

これはキリン、これは何、だんだんわからなくなってくるんです。

確率的にみるとだれもわかっていない。

本人はわかっているつもりでいる。

 

これはやはり宣伝とかパッケージとかいうものが

すごく大事なんだなとその時ぼくは思ったんですね。

 

浜野氏ー

それが原点になっているわけですね。

 

江副社長ー

これはおいしいとかまずいとか思い込んでいるけれども、

すごくそれに付随するお話とかパッケージとか雰囲気とか

いうものがすごく左右すると思うんです。

 

料理屋で「吉兆」というお店がありますけれども、

そこは、これは明石でとれたタイですとか、

京都でできた賀茂ナスだとか、十津川のアユですとか、

話がきれいにできているわけです。

色といい、盛りつけといい素晴らしい。

そういうものでおいしくなるんですな、同じものでも。

 

これが黙ってほかの皿に移して、ほかの部屋で食べたら

うんとまずくなるというか、そういうことないですか。

 

浜野氏ー

まったくそうですね。「吉兆」のああいう盛り付け

というのはフランス料理にすごい影響を与えているんですね。

ヌーベル・キュイジーヌなんかまったく「吉兆」の影響ですよ。

それをまた日本ナイズして、キュイジーヌ・シセイドウ

なんてできたでしょう。

あれの皿なんか西洋皿なんだけども、

いろいろ柄とか色が入っているんですよ。

それにどううまく置くかという、あしらいというのが

入り始めたんです、西洋料理に。だから、食もデザイン・・・・。

 

江副社長ー

そのへんのデザインというのは大事だと思いますね。

 

浜野氏ー

特に日本料理というのはデザインを

ものすごくうるさく言ってきましたね。

(以下省略)

 

 

この対談でも露呈しているように、日本人は日本の文化に合わせて

様々な材料をアレンジしてデザインセンスを磨いてきたこと、

それをうまく現代の企業サービスに生かすことを

稀代の経営者は、欧米の技術革新とともに考えてきた。

 

これは昭和時代から平成時代になっても変わらないはずである。

なぜなら日本人は、様々な歴史文化を自然に感じ、

その精神構造の下で日常生活を送っているのだから、

どれだけ海外の商品サービスが入ろうと、影響を免れない。

 

 

海外から日本を訪れる観光客が増える中で、

日本なりのサービスに満足をしている方は、

そのトータルデザインに魅力を感じているはずである。

 

都会の和食レストランに満足するのではなく、

日本の原風景がある土地で食べる地元の食材に、

おもてなしされた食事に満足を覚えているのだ。

 

多くの人に求められる商品・サービスであれ、

一部の限られた人に求められるものであれ、

トータル的なデザインセンスを持った事業者が提供するものは、

単体しか考えられていないものとは、

大きく満足度が異なってくる。

 

そんな現代では当たり前となった価値観を、

これら9人のデザインセンスあふれる経営者は、

それが当たり前でなかった時期に構築されてきた。

 

だからこそ、32年の月日が経っても、

改めて彼らの言葉に耳を傾ける事には大きな意味がある。

 

私は、この著書を読み終わって改めてそのことを痛感している。

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

読書 | 19:12 | comments(0) | - | - | - |
総理の原稿-新しい政治の言葉を模索した266日- 平田オリザ・松井孝治著読了。
評価:
平田 オリザ,松井 孝治
岩波書店
¥ 1,944
(2011-04-08)
コメント:施政方針演説など内閣総理大臣が発するメッセージがどのように作られているのか知りたい方には必読。加えてどうして民主党政権崩壊以降、民進党が再浮上できないのかも理解できる一冊。

政治家の言葉の軽さが色々な点で、

政治に対して不信感を招いているのが現実の社会である。

 

私自身も政治に関わる人間として、

政治家はいかにして言葉を紡いでいるのか、

興味があって、この本を手にしてみた。

 

といっても、私がこの本を手にした理由は、

民主党(現 民進党)、自民党といった政権与党の

党派性という色眼鏡ではない。

 

現憲法下で初めて成し遂げられた

政権党が完全に交代することによって成立した鳩山内閣。

賛否両論ありつつも、それまでの総理大臣が発する

所信表明などとは大きく異なっていたと言われる。

 

鳩山総理の原稿が、

どのような経緯で作られたのかに興味があり、

平田オリザ氏の本を読み、

松井孝治氏のツイッターでの発信を踏まえて、

漸くこの本を手にしたに過ぎない。

 

政権を取った頃からの面影が乏しくなった民進党、

その前身である民主党は、間違いなく自民党に変わり、

日本国を代表して国民にメッセージを発していた。

 

そして、発足当初は政治主導というキーワードとともに、

それまでになかった様々な国会議員主導の変化が起きた。

 

今、自民党政権に戻り、様々な国会のやり取りを垣間見て、

政治主導が大きく進んでいると感じる国民は、

決して多数派ではないのが実態ではないだろうか。

 

 

前置きが長くなり過ぎたが、

本書は、鳩山内閣の総理演説を書き、

官邸のオープン化に寄与した

劇作家で演出家である 平田オリザ氏と、

当時内閣官房副長官を務めていた 松井孝治氏の

対談をまとめられたものが中心となっている。

 

まずは、この対談の本文ではなく平田氏の意見を入れて、

松井氏が纏められた鳩山内閣初閣議の文書、

総理の考え方を示した「基本方針」より一部を引用したい。

 

平成21年9月16日

 

1 本日ここに、民主党と社会民主党、国民新党の連立の下、

新たな内閣が発足いたしました。

 

私は、先の総選挙は、民主党及び友党のみの勝利ではなく、

国民の政治へのやりきれないような不信感、

従来型の政治・行政の機能不全への失望と

それに対する強い怒りが、高い投票率になって現れ、

政権交代に結びついたものだと考えてきました。

 

その意味で、総選挙の勝利者は、

国民一人ひとりであるはずです。

そして、この国民の強い期待に対して、

全身全霊を傾けてお応えするのが、

この内閣の使命であると確信しております。

 

2 今日の日を、日本が明治以来続けてきた政治と

行政のシステムを転換する、歴史的な第一歩にしなければ、

この内閣の意味はありません。

 

そのために、この鳩山内閣は、

「本当の国民主権の実現」、「内容のともなった地域主権」を

政策の二つの大きな柱として、

新たな国づくりに向けて、動き出したいと思います。

 

わが国は、今日から、利権政治と、それを支えてきた

官僚依存の政治システムからの脱却を目指します。

国民主導により、国民一人ひとりが豊かさを実感できる

政策を行う本当の意味での「国民主権」の国家へと転換していきます。

 

また、明治以来の中央集権体質から脱却し、

地域の住民一人ひとりが自ら考え、主体的に行動し、

その行動と選択に責任も負う「地域主権」へと、

この国のあり方を、大きく転換していきます。

 

3 新たな国づくりに向けて、まず、国政の運営を、

官僚主導・官僚依存から、政治主導・国民主導へと

刷新しなければなりません。

 

ただ、私たちが目指す政治は、

「官僚たたき」の政治ではありません。

 

誰かを悪者にして、

政治家が自らの人気をとるような風潮を戒め、

政治家自らが襟を正し、国民の声に謙虚に耳を傾け、

率先垂範して汗をかいていきたいと思います。

 

「政治主導」は、単に政治家が官僚の上に立つ

政治体制ではありません。政治家自らが、

今一度、憲法に定められた「国民主権」の意味をかみしめながら、

国政の大きな舵取りをしていこうということです。

 

配下の官僚諸君にも、意識の変革を促しつつ、

共に改革に取り組み、国家を支える中枢としての

誇りを取り戻していただきたいと思います。

 

(以下省略)

 

内容を見ていくと、どうしてこの後民主党への支持が減少したのか、

そして現在の安倍内閣の支持率が低下していく要因までもが

おぼろげながら見えてくるのではなかろうか。

しかし、それはこの本の要点ではないので触れずに置く。

 

まず、この基本方針を読んで感じることは、

役人的な言い回しを極力省こうと努められている点である。

役人文章になると、右にも左にも捉えられる玉虫色の

表現が含まれていることが多くなる。

 

しかし、この基本方針には、これまでの問題点はこれ、

だから今後このように変えていこうとするという

明確な姿勢がはっきり謳われている。

 

もちろん、内容としては共に仕事をしていく仲間となる

官僚に向けて十分に配慮されているものなので、

国民の側からすると気持ちが良いとは言い辛い。   

 

しかしながら、あくまでも国民の投票行動という意思を踏まえ、

目指すべき政治の方向性を定義し、

それを目指すために官僚の協力を求めるという流れは、

非常に論理的であり、回りくどい表現ではない。

 

平田オリザ氏は本職であるからもちろん、

松井孝治氏も数々の伝統文化に造詣が深いため、

日本人がどのような表現で、人々を惹きつけるかを

十分計算されて書かれている基本方針だと感じられる。

 

また、これまで続いた自民党政権で国民が不信感を抱いたのは

果たして何だったのか、これを提示することも、

その基本方針のポイントであると言えるだろう。

 

 

言葉は人を動かすものである。

特に政治という多くの人々に関わってくる世界に

置かれている政治家という人が発する言葉であれば尚更。

 

しかしながら、逆に言えば多くの人々に影響するからこそ、

多くの人々にとって当たり障りのない言葉を

発されてきて、それに対して有権者が関心をなくし、

政治家に対して信頼性を失っているのも事実である。

 

また、皮肉にもそれを打破しようとして登場した

民主党政権が、大きな結果を残せなかったことも、

何かを期待していた有権者には大きなトラウマとなっている。

 

 

だからこそ、今必要なことは、

改めて言葉の大切さを政治家自らが認識し、

力強い言葉を自らの責任で発することではなかろうか。

 

もちろん、その結果多くの反論があるのは避けられない。

だからと言って、そこで立ち止まっていたら、

まさに成長が伸び悩む日本を変革していくことはできない。

 

今、政治家に発言が求められているのは、

後ろ向きな行動ではなく、前向きな行動を促す

未来を捉えた言葉なのではなかろうか。

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

読書 | 23:27 | comments(0) | - | - | - |
あなたの話はなぜ「通じない」のか 山田ズーニー著 読了。
評価:
山田 ズーニー
筑摩書房
¥ 562
(2006-12-01)
コメント:自分の気持ちを他人にうまく伝えられない、そういった悩みを抱く人は多いだろう。その前に、自分自身で自分の気持ちを整理できているのだろうか。まずはそこからしっかり始めてみようというのが山田さんのメッセージである。

先日読み終わった山田ズーニーさんの文章の書き方に続いて、

会話術について書かれたこちらの文庫を手にしてみた。

 

私は、他人様から多様な意見を聞き、

また自分の考えを他者に伝えなければならない

仕事をさせていただいているので、

周囲の人々に自分自身の「想い」を伝えることは、

日々の暮らしにとって、とても重要なことである。

 

自分の想いに嘘をつかずに、他者と通じ合うには?

こういった視点でこの文庫はまとめられている。

 

色々なスキルを使って、自分の想いを押し殺して

他者と接することも可能であるが、

その行為は結局、自分自身に嘘をついており、

他者に対して敬意を払った行動ではないと山田氏は指摘する。

 

まず初めに、自分の想いを他者に伝えるために、

必要不可欠な5つの基礎が紹介されている。

---------

1,自分のメディア力を上げる

---自分の信頼性を高め、他者への影響力を高める。

 

2.相手にとっての意味を考える

---話の相手にとって関係があり、意味がある話をする。

 

3.自分が一番言いたいことをはっきりさせる

---自分で考えて、決め、結果を引き受ける覚悟を持って話を考える。

 

4.意見の理由を説明する

---自分と相手の間にある意見とその理由を説明する。

 

5.自分の根っこの想いにうそをつかない

---自分の根っこにある想い・発言の動機を大切に話をする。

————

 

この想いが伝わるエッセンスの解説を例示しながら、

詳しく解説されているのが、本書ということができる。

特に、著者の山田氏がポイントにされているのは、

文章の書き方でも指摘されていた、

「自分自身が伝えたいことをしっかり考える」ことである。

 

自分の想いを他者に伝えようとするには、

自分の伝えたいことについてもじっくり考える必要があるし、

また、伝えようとする他者の想いにも考えを巡らし、

お互いの意見が交わるような問いを用意することが重要であると、

山田さんは、色々な解説を行いながらその意味を指摘している。

 

 

私自身、他者に自分の想いを伝えることが下手で、

学生時代などメンターとなってくださった方によく指摘された。

「自分の想いを口に出しているようには聞こえない」と。

 

それから紆余曲折ありつつも、他者と横並びであることを

嫌っていた私は、他者との会話の際に、

複数の人が行うような問い、全く他者がしないような問い、

この二つを考えるように努めた事実がある。

 

もちろん、未だにそれが上手くいくこと、失敗すること、

いずれも経験するのだが、少なくとも、

その両面を考えなかった頃に比べれば、

私の会話を聞いてくださった方に、

何らかの印象を与えられるようになったのではと考えている。

 

他者に自分の想いを伝えることは難しいことであり、

できれば自分の意思を伝えないままに行動した方が、

世の中をうまく渡っていけるような気もする。

 

しかしながら、結局自分の想いを他者に伝えずに、

「何か違う」と思ったままで人生を送ることは、

自分自身に嘘をつき、結局自分自身が、

何を目的としているのかを見失ってしまうことに繋がる。

 

著者の山田さんも書かれている通り、

自分の想いが伝わらなくて困ったという「壁」に当たった時、

その人は、どうにかその壁から逃れようと、

もがいていけるチャンスに出くわしている。

 

それを如何に将来の自分自身に役立てようとするのか、

このことこそが、「伝える技術を身につける」ということに

他ならないのではないかと、山田さんは訴えている。

 

他者とのコミュニケーションに悩み、

自分自身を揺さぶられる経験は、自らを大きくしてくれる。

私の過去を振り返ってもそう思うのだが、

山田さんが書かれた本で、そう改めて定義されると、

再び、自分の意見を伝えようとする勉強の重要性を痛感する。

 

 

まだまだ、この文章自体が非常に分かりにくいものであるからも、

本当に発展途上の私自身、自分の気持ちに

整理整頓ができていないことの表れである。

 

拙い言葉でも、他者に自分の想いを発し、

そのリアクションを受け止めながら、

少しずつ「通じる会話」の術を身につけていきたい。

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読書 | 22:21 | comments(0) | - | - | - |
他者に伝わる文章を書くにはどうしたら良いのか?山田ズーニー著「伝わる・揺さぶる!文章を書く」読了。
評価:
山田 ズーニー
PHP研究所
¥ 713
(2001-11-01)
コメント:著者の山田氏は長年小論文の書き方を指導してきた教育従事者である。自分の思いを伝えることは学生にも社会人にも必要不可欠な社会的スキルである。考えが他者に伝わらないと思っている人には必読の新書。

PHP新書「伝わる・揺さぶる!文章を書く」は、

山田ズーニーさんという小論文指導の

プロフェッショナルが記された本である。

 

私がこの著書を手にとったのは、作家の菅野完氏が

ツイッターにてこの本を推奨されていたからである。

「日本会議の研究」というベストセラー著者が勧める、

書き方の本であれば間違いないはず、そう思い手にとった。

 

この本が多くの読者に支持されていることは、

この書の奥付からも一目瞭然である。

2001年に初版が出たこの本は、2017年6月26日に

すでに49刷が行われている。

それだけ長くに渡り、多くの読者を惹きつけている。

(15年も経て版が変わっていない、

つまり本文が大きく変化ないことにも驚き!)

 

まずは、著者の山田さんがこの本を書いた想いを

一番最後に書かれた文面から伝えたい。

————

自分にしか書けないもので、

互いの潜在力が生かされる時、

相手とあなたが出会ったことは意味を持つ。

あなたが書くものは、

相手にとってかけがえのない意味を持つのである。

 

あなたには書く力がある

 

本気でそれを伝えるために私はこの1冊を書いた。

読んでくれてありがとう。

あなたの書いたものに、

私はいつ、どんな形で出会えるだろうか?

————

(上記エピローグより引用)

 

私は、10年以上にわたって、

ブログなどに駄文を書き連ねているが、

他者に読まれれることを前提にして、

ウェブメディアへの出稿を前提とした記事以外、

ほとんど推敲をしないままに文を連ねてきた。

 

このことは、自らが表現する文章について、

十二分に自分自身で考えたという現実を放棄している。

 

山田ズーニーさんが本書で何度も指摘されているのは、

「自らが書く文章を通して、

如何にコミュニケーションを円滑に図っていくのか」

十分に自分の頭で考えてみようということである。

 

孫子の兵法の例えを出すまでもなく、

他者が関係する物事を進めるには、

自らを知って、相手を知らない限り上手くいかない。

 

これはもちろん文章を書くという、

誰かに対して何らかの表現をする際にも当てはまる。

自分自身だけが読むものでさえ、

時間を超えても理解できるような文でなければ価値がない。

 

この本では、文章を書くにあたって、

伝える文を書くにはどんな考え方を持つべきか?

実際にどういった形で文章を書いていくべきか?

さらに他者を揺さぶるにはどうすべきか?

と段階を踏んで具体的に事例を提示されている。

 

入試や採用試験など、具体的な事例も豊富なので、

詳細についてはぜひ本著を手にとっていただきたいが、

エッセンスとして、機能する文章について、

7つのポイントを挙げられているので、ご紹介したい。

 

 

きちんと機能する文章を書くために著者が必要だと考える要件

 

1.意見

ーあなたが一番言いたいことは何か?

2.望む結果

ーだれが、どうなることを目指すのか?

3.論点

ーあなたの問題意識はどこに向かっているか?

4.読み手

ー読み手はどんな人か?

5.自分の立場

ー相手から見たとき、自分はどんな立場にいるか?

6.論拠

ー相手が納得する根拠があるか?

7.根本思想

ーあなたの根本にある想いは何か?

 

この中でも、「論点」「論拠」「意見」が基本となるそうだが、

実際の文面では、論拠などが当たり前のこととして、

意見以外は省略されている場合があるとのことである。

 

 

プライベートなもの、オフィシャルなもの、

文章を書くにあたっては、様々な雛形が存在する。

 

同じように、他者に伝わる文章を書くにあたって、

押さえておくべきポイントがあることを、

山田氏は、この著書で詳しく解説しながら、

なぜ、そういった考えを持つようになったのかを

数々の失敗談を含めて解説されている。

 

 

この著書はタイトルにもあるように、

他者の心を揺さぶる文章の書き方を考察した本である。

 

だからこそ、求められるのは自分の考えがどこにあり、

何を他者に伝えようとしているのか、

自分自身の想いを明確にすることが一番大事なのである。

 

経済環境も、社会環境も、10年前20年前と比べて

大きく変容しつつある日本社会において、

周りの人がやっているように過ごせば良いという

時代は過去のものとなってしまった。

 

だからこそ、自らを見つめるツールとして、

文章を書くことの意味は非常に大きいものであるはずだ。

だからこそ、他者を揺さぶる文章を書こうとすることは、

結局のところ、自分自身を鼓舞する最短のルートなのかもしれない。

 

そんなことを考えさせられた山田ズーニーさんの

エピソード溢れる文章作成術は、

是非ともこれから学生になる人、社会人になる人に

読んでいただきたいオススメの一冊である。

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読書 | 00:27 | comments(0) | - | - | - |
地方からの発想 平松守彦著 読了。

私は立場上、地域などからの要望を

行政にお願いする場面によく接するようになった。

【行政主導で、地域づくりを進めてほしい】

言うは易しだが、はっきり言えば責任の主体がぼやける。

 

この著書出版当時、4期目の大分県知事を務めていた

著者の平松守彦氏は、知事就任以前に

通産省の地方振興局審議官を務めたのちに、

副知事として初めて自治体組織に入っている。

 

当時から、行政に対して支援を求めている主体ではなく、

まちづくりを進めるため自らで動いている主体を

さらなる活動に繋がるような後押しする行政を展開していた。

 

この著書が刊行されてすでに27年が経過しているが、

未だに、行政に求める地方が非常に多い現実は続いている。

 

それこそが、自らの魅力を積極的に発信できずに、

東京などからもたらされるものを待つしか手段がなく、

画一的な魅力のない田舎を維持している一つの原因である。

 

私が暮らしている町は、

地場産業が停滞する中で、どうやって地域おこしをやれば良いか、

そのテーマを見つけ、行動の足がかりを掴むために、

他者に頼ることなく、自らで全国の先進地を周り、

色々な取り組みを試行錯誤し続けたリーダーが、

多くの若者を呼び込んだ結果、大きな賑わいをもたらしている。

 

平松氏もこの著書で、繰り返し繰り返し告げている。

『地域づくりは人づくりだと。』

 

平松大分県知事の名前とともに代名詞になったのが、

「一村一品運動」である。

これを始めるにあたり、

多くの新規事業に役人として関わってきた平松氏が、

大切にしていたポイントは以下の通りである。

 

 

(以下引用)

第一番目は、いくら重要だと唱えても

相手には理解されないということ。

説明の仕方が大事だということだ。

大蔵省の予算当局者、国会議員、また一般の人によく理解してもらう。

この説明の仕方を工夫せよということであった。

(中略)

第二番目は、その重要性をわかってもらうためには、

繰り返し繰り返し説明していくということである。

私は「行政はPRである」とよく言う。

PRと宣伝とは違う。PRとはPublicRelations,

つまり一般住民との関係を良くするための広報なのである。

だから、行政の考えることをわかりやすく、

繰り返して説明し、理解を得る。この姿勢が必要である。

 

三番目は、先取りしていく政策を実現していくためには、

自分自身が積極的に現場に出かけ、

現地の人の話を聞きながらやっていくということである。

公害課長の時には、

実際に公害防止の担当技術の人たちから話を聞いた。

(中略)

もともと通産省には大きな予算がなく、許認可権も多くない。

通産省が自身で予算を使い行政をすすめるというよりも、

それぞれの関係業界に勉強してもらう方が得策であった。

(中略)

一村一品をやるにしても、大分県民が自主的にやる気を

起こすことが大切で、それを行政がバックアップする。

それぞれの地域で競争意識を持たせるということを考えた。

これには通産省での経験がいくらか役立ったと思う。

(引用終わり)

 

 

大分県知事に就任した平松氏は、これからの大分県を

活性化する一つの道として、

それぞれの地域が地域の誇りとなる産品を

つくりあげていこうと、一村一品運動を提唱した。

 

この結果、多くの失敗例・成功例が生まれたが、

成功した地域には共通したポイントがある。

 

それは、いいリーダーがいたということである。

リーダーとは ”コロンブスの卵を生む人”

ではくてはいけないと平松氏は指摘している。

 

 

(以下引用)

一村一品運動は単なる特産品づくりじゃないか、

といわれれば一言もない。

 

しかし、その特産品を生み出すに至るまでの

人間の気力、やる気をどう起こさせていくのか。

人がやったことに「ああそうか」とうなずくことはやさしい。

 

だが、最初にコロンブスの卵を立てた感動が

部下を感動させ、精神を高揚させるのである。

リーダーは常にコロンブスの卵を生み続ける男でなければならない。

創造的破壊、破壊的創造。

常に逆転の発想を持つことだ。

(引用終わり)

 

大分県の一村一品運動は、全国で取り入れられ、

世界中からの関心を集めるまでの実績、注目度を発揮した。

また、同時並行で平松知事は、企業誘致も積極的に進め、

それまでに大分県になかった技術主導企業を招き寄せた。

 

ただし、そこでも決して外部企業を分別なく呼んだわけではなく、

地域経済にとっても長期的な良い影響をもたらし、

なおかつ元々地域に存在した農業や漁業に従事する若者を

増やすための仕組み作りにも様々な工夫を行なっている。

 

 

大分県は、キリシタン大名大友宗麟が

九州全体を勢力圏に置いたのも束の間で、

16世紀末から明治に至るまで、天領を含め小藩が分立していた。

また地形が複雑で、全面積の70%が林野、平野も限られるなど、

文化・経済ともに意識統一が難しいのが土台として存在する。

 

だからこそ、明るい大分の未来をもたらすには、

それぞれの地域が自らの良さを発揮する土壌を見出すために、

歴史・地理的にも、一村一品運動が必要だったのである。

 

 

遡れば日本列島改造論が叫ばれた頃から、

地方創生が訴えられている現代に至るまで、

東京一極集中を打破していくための特効薬は存在しない。

 

だからこそ、政府が考える方針を受ける自治体の術に乗った

地域おこしを進めるよりも、

自らの課題を自らで少しずつ変化させようという動きが、

弱いようで力強いものとなることを、

27年前から平松氏は訴えている。

 

この指摘は現在でも全く古びていないし、

一村一品運動のフロントランナーであった、

大分大山町農協が現在も政府から着目されている現実を踏まえても、

改めて、平松氏の著書を手にとってみる価値はある。

 

それが、私がこの著書を読み終わって感じる想いである。

さて、今年は何度か大分に足を運んでみよと思う。

自らが暮らしている町に欠けているポイントを探すためにも。

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

評価:
平松 守彦
岩波書店
---
(1990-09-20)
コメント:地方創生のモデルは、今では色々な地域が取り上げられている。けれども、果たしてその仕組みは10年後も成果を上げ続けているのだろうか?事例は古いかもしれないけれど40年以上実績を上げている大分モデルを振り返っても遅くないと思う。

読書 | 23:59 | comments(0) | - | - | - |
続 マッハの恐怖-連続ジェット機事故鎮魂の記録- 柳田邦男著 読了。

2017年5月15日陸上自衛隊のプロペラ機LR-2が函館空港周辺で

消息を絶ち、北斗市の袴腰山から3キロの地点で機体の一部が発見され、

乗員4名の死亡が確認されました。

 

このニュースの後に、周辺にて1971年7月3日に発生した

「ばんだい号墜落事故」を思い出したとの意見を目にしました。

気になる消息(いすみ鉄道社長ブログ)

私自身は、その当時生まれておらず、

この航空事故のことも知らなかったので、

興味から、その事故について詳しいこの本を手にしてみました。

 

柳田邦男氏の著書は過去に「航空事故-その証拠に語らせる-」を

読んだことがありますが、事故の責任を追及するのではなく、

その事故原因から、如何にその後の航空安全に対しての教訓を

得ていこうとするのかという視点は、非常に有益なものでした。

 

この「続 マッハの恐怖」においては、上記の著書よりも

若干前に刊行されており、ばんだい号事故など、

一つ一つの航空事故に対して、詳しく焦点が当てられています。

 

この著書で柳田氏が航空事故の原因調査に対して

問題意識を持っていることは、事故調査委員会のあり方が、

その事故の要因を丹念に探ることなく、

何らかの原因決めつけの元で進められているという点です。

 

東亜国内航空(元JASの前身)YS-11「ばんだい号」は、

札幌の丘珠空港から函館空港に向かっていたところ、

函館空港から15km離れた横津岳に墜落して、

乗客乗員68名全員が亡くなっています。

当時は、フライトレコーダー、ボイスレコーダーが搭載されておらず、

明確な事故原因も明らかにならないまま、

パイロットの操縦ミスによるものが原因と推定されると、

事故調査委員会は結論付けています。

 

しかしながら、この調査委員会においては、

原因を巡ってはレーダーによる航路解析や、目撃者の証言など、

パイロットによる単純ミスとは言い難い面もあり、

機体の不具合なども発生していた懸念があることを、

この著書では、事故調査委員会メンバーや、

当時のパイロットによる証言などから柳田氏は指摘しています。

 

当時の調査委員会は、十分な情報公開がなされておらず、

また国の体制も事故原因を明らかにして、

その後の安全に役立てようという意識が乏しかったため、

玉虫色の決着を図った点が顕著です。

 

この事故の直後に全日空機と自衛隊機の空中衝突事故、

日本航空では翌年に3件もの事故により多数の死者を出しています。

 

時代は大きく流れて2017年現在、

国土交通省の外局として「運輸安全委員会」が組織され、

航空事故、鉄道事故、船舶事故の原因究明を行なっていますが、

常時大きな調査母体を持っているとは言いがたく、

アメリカの国家運輸安全委員会(NTSB)とは異なり、

運輸部門を取り仕切る国交省とは完全に独立した機関とは言えません。

 

ばんだい号の事故から約46年が経過して発生した陸上自衛隊機の

函館空港周辺への墜落事故ですが、事故から1ヶ月が経過しても、

その事故詳細については、何ら防衛省から発表がされておりません。

現在もLR-2は陸上自衛隊の連絡偵察機として運用されているにも関わらず。

 

この事実を踏まえても、当著で柳田邦男氏が指摘した事実は、

決して過去のものとは言いがたく、

日本の航空事故防止の観点からは今なお有効な声だと感じます。

 

特に、私が強く感銘を受けた文章を最後に引用して、

この著のポイントとしてご案内したい思います。

 

(以下引用)

かつてシステムが単純だった時代には、航空機事故の原因は、

「機械」の側にあるのか「人間」(パイロット)の側にあるのか、

その識別は単純明解であった。

しかし、今日航空機というものが、機体自体のみならず

空港や航法援助施設をも含めた巨大なシステムとして飛んでいる以上、

事故の原因を「機械」か「人間」かという単純な対立要因に分解して、

そのどちらかに”解”を求めようとする二次方程式な発想では、

真の解答は得られないのではなかろうか。

 

”パイロット・ミス”という虚構の”解”が出されるのは、

そのような二次方程式を無理に解こうとするからに他ならない。

 

ジェット時代における「事故原因」の変数は、決してXかYだけではない。

それはある広がりを持った「領域」(フィールド)であり、

その「領域」の中に「機械」の側の要因と「人間」の側の要因とが

複雑に入り組み合い、連続した「面」を構成している。

 

仮に「直接の原因はミスだ」とわかっても、

何らかの誘因なしには「直接原因」としての「ミス」は起こり得ない。

その誘因こそが重要なのであり、誘因という考えを導入するとき、

「事故原因」はやはり「面」で考えざるを得ない。

つまり、「事故原因」とは、たえず多次元方程式であり、

そこにおける”解”はXかYという形ではあり得ない。

 

このような考えを私はあえて「仮説」といったが、

アメリカやイギリスの事故調査における公聴会制度は、

こうした多次元方程式を解く手がかりを与えつつあり、

「仮説」は次第に実証されつつあるように見える。

(引用終わり)

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

評価:
柳田 邦男
フジ出版社
---
(1973)
コメント:失敗学という言葉が少し前に話題になった。おそらくその考え方は航空事故など複合的な要因が原因となる事象においてとても重要である。企業経営にも何らかのヒントになること請け合いの名著と言える。

読書 | 21:29 | comments(0) | - | - | - |
日本初!地方を救う譲渡型賃貸投資ガイド 森裕嗣 著読了。
評価:
森 裕嗣
秀和システム
¥ 1,296
(2017-06-17)
コメント:これからマイホームを考える家族、新しい不動産投資を考えている投資家、住宅建設の仕組みを再構築しようとする建設会社、移住を増やしたい自治体、いろいろな方に参考になる新しいマイホーム取得の形です。

私が生活する長崎県のこの地方においても、

全国の非都市部で問題になっているように、

賃貸住宅の空き家増加は目に見えて増えているのが実情である。

 

また一方で、全国的に近年所得が向上しているとはいえ、

長崎県の所得推移は決して大きく上昇しているとは言いがたく、

世帯収入が伸び悩む中で、

住宅投資に対する意識は変わらなくても、

マイホームを手にしようとする家族には高い壁が存在している。

 

 

そんな時期に、知人より一冊の本が刊行されたことを知った。

何でもこの本の著者 森裕嗣氏は、神奈川県から秋田市に移り住み、

不動産の需給のミスマッチを解消すべく、

様々なビジネスモデルを編み出し成功されているとのことである。

 

著者の森氏は、本著で「譲渡型賃貸」という不動産投資を案内する。

 

簡単にいえば、オーナーが土地代・建築費用を負担し住宅を建て、

そこに入居した人が家賃を払い、一定期間が経過すると、

土地建物は入居者のものとなるという契約形態である。

 

この仕組みを活用することにより、

住宅ローンが組めない世帯においてもマイホームが取得でき、

一方、空き家増加を心配せずに安定した家賃収入を得られる

手段として投資者にも長期間安心した利回りが期待できるとのことである。

 

もちろん、メリット面だけではなく、

譲渡を前提とした戸建住宅への投資となり、

賃貸者の退去が生じるデメリットについても、

しっかりと対策を講じられている。

 

譲渡型賃貸住宅をサポートするネットワークを、

著者が経営するリネシス株式会社が提供することで、

住宅売却についてもサポートを行う仕組みを築いている。

また、家賃設定の利回りについても、

中途売却を行なっても元本割れがしにくい基準で設定されている。

 

 

日本人は、所有可能な土地が限られていることもあり、

持ち家思想が高く、それを基準に社会環境が形作られている。

 

しかしながら、バブル崩壊以降長期経済低迷が続き、

加えて非正規雇用が増えたこともあり、

持ち家を得たい世帯にとっても、住宅を取得することが

困難な状況が続いているのが実態である。

 

この譲渡型賃貸の仕組みが、

その課題に一つの解決策をもたらす術であることは、

著者の森氏が秋田県という全国でも

決して世帯所得が高い土地ではない場所で、

事業を成功させていることからも想像できるのではないだろうか。

 

 

しかしながら、当然のことながらこれまでに存在しなかった

譲渡型賃貸の仕組みが日本各地に普及するにあたっては、

投資家、建設会社、賃貸家族(マイホーム希望者)、自治体、

そして多くの地域に存在する企業の理解なしには上手くいかない。

 

そのことを森氏は、それらのステークホルダー目線で、

どのようなメリットがあるのかを事細かに解説している。

 

社会保障に対する財政支出が増加する中で、

公共工事が減少し、地方の建設会社も新しい需要を欲している。

そして、全国の自治体では長らく生活する家庭を求めている。

 

少子高齢化が著しく進展する中では、

住宅に求められる機能、そしてその意味も大きく変わっている。

だからこそ、マイホームを得るための仕組みが

多様化することも、至極当然なのだろう。

この著を読み終えて改めて考えさせられた次第である。

 

私自身、賃貸住宅に家族と生活する身として、

行政に関わる仕事について街づくりを考える立場として、

譲渡型住宅のようなスキームが、世の中に受け入れられ、

多くの人が一つの土地に愛着を持って暮らせるには、

どういった仕組みが相応しいのか、再び考えてみたい。

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読書 | 06:26 | comments(0) | - | - | - |
闇を照らす-なぜ子どもが子どもを殺したのか- 長崎新聞社報道部少年事件取材班著 読了。

6月5日広島県三原市で中学3年生の男子生徒が、

5歳の女の子をスポーツセンター2階から投げ落とし、

怪我をさせるという事件が起きました。

読売新聞の報道によれば、

この生徒は特殊支援学級に通っているとのことで、

何らかの障がいを抱えていたことが窺えます。

 

さて、今日読み終えたこの著書「闇を照らす」にて

取り上げられる長崎で起きた3つの凶悪事件被害者は、

いずれも自らの意思を思う通りに行動に表すことができずに、

他者との協調性に何らかの問題があった子どもでした。

 

中学1年生の男子生徒が4歳の男の子を

高さ20mの駐車場から投げ落として殺害した事件。

 

小学6年生の女子生徒が同級生の女の子を

小学校の教室で切りつけて殺害した事件。

 

高校1年生の女子生徒が同級生の女の子を

一人暮らしの自宅で殺害し死体を損傷させた事件。

 

いずれも私が現在生活する長崎県で発生しました。

だからこそ、地元の新聞社である長崎新聞では、

事件検証会議を作り、どんな背景があり、

どのような対策が求められているのかまでを

21回の協議を重ね、しっかり明文化しています。

 

それぞれの事件は、もちろん個々の要因があります。

 

加害者個人の問題、その家族の問題、

そして彼ら彼女らを取り巻く社会の問題、

事件が起きる前には何度も、

大きな問題を予見させるような事態が生じていました。

 

それにも関わらず、

しっかりとした対応がなされなかったために、

凄惨な事件が発生したと捉えられて仕方ない状況が、

この著書では多面的に分析をなされています。

 

 

長崎県に限らず、日本全国で子どもが起こした殺人は、

多数発生していますが、発生直後のセンセーショナルな報道が

ひと段落すると、その背景にどのような問題があったのか、

掘り下げて調査を行う動きは決して目立つものではありません。

 

大人が起こす事件以上に、子どもが起こす事件には、

当事者を巡る様々な問題が内包されている可能性が高いはずです。

何故ならば、子どもはまだ自らで事件が起きたのちに、

生じる現実を考えられないままに、

行動に走ってしまう可能性が大きいのですから。

つまり、当事者は事件を通じて、何らかのメッセージを

伝えようとしているとも言えます。

 

しかしながら、大人の犯罪者は裁判で

客観的に事実が明らかになる点に比べ、

子どもが起こした犯罪については、

少年法など未成年の加害者保護の側面から、

情報が開示されにくい現実があります。

 

だからこそ、報道機関や学術機関など外部の目で、

客観的に事件を振り返ることは非常に重要になります。

もちろん、それは事件の被害者には酷なことです。

 

しかしながら、凄惨な事件を繰り返すことなく、

新しい犯罪者を生み出さないためにも、

誰かがやらなければならない作業であるはずです。

 

 

15歳の女子高生が同級生を殺害した事件では、

その三ヶ月ほど前に、

この加害者は実の父親を殺害しようとしています。

それ以前に母親は病いで亡くなっています。

小学六年生の頃には給食に異物を混入させたり、

小学五年生当時には、猫を殺すようになった事実がありました。

 

父親は救急車で搬送されたにも関わらず、警察に届けず、

関係者にも事実を口外しないように求めたそうです。

この少女は、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持っていて、

他者との共感生に問題があり、

特異な対象への過度の関心があったそうです。

しかし、知的能力は高いため表面的には社会に適応できていました。

 

しかしながら、少女を診察していた医師は少女を放置すれば

殺人に至る危険があると判断し、事件直前に児童相談所へ

電話で相談をしています。

 

しかしながら、その児童相談所内にて

課長による相談員へのパワハラなどの問題があり、

この少女に対しての対応は全く行われませんでした。

その後も、医師は父親に対して児童相談所に繰り返し、

相談要請を行ったものの、全く顧みられずに、

最悪の事態となってしまったわけです。

 

 

この事件が決して特異な事例とは思えません。

子どもは様々な点で、周囲の大人に対して、SOSを発しているのです。

それを拾ってあげられるのは、家族を含めた周りの人間です。

 

少子化が社会的な課題となっている現代だからこそ、

一人一人の子どもにどうやって向き合っていくのかは、

社会全体のテーマであると言えます。

 

私自身わずかながら子どもに日常的に接する大人として、

子どもたちに何ができるだろうか、

せめて声をかけることからでも始めたいと改めて考えさせられた、

非常に意味のある読書となりました。

 

長崎新聞が提唱した男児誘拐殺害事件検証会議から

発達障害の子どもたちへ寄せたメッセージを最後に紹介して終わります。

 

(以下294pより引用)

友達とうまくいかなくて「おかしいなあ」

お父さんお母さん、先生にいつも怒られて

「何でだろう」「つらいなあ」と、感じていませんか?

 

それってあなたの努力が

足りないわけじゃないかもしれない

他の人がしない努力をあなたはしているよ

 

あなたが他の人と違っていてもいいんだよ

 

友達や家族、先生の中に

応援してくれる人が誰かいるよ

すぐに、会えなくてもどこかにいるよ

困った時、周りの人に聞いてみて

(引用終わり)

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

闇を照らす

評価:
長崎新聞社報道部少年事件取材班
長崎新聞社
¥ 5,330
(2017-04)
コメント:子どもが加害者となった事件の背景、そしてそれを踏まえて地域からこのような悲惨な事件を起こさないためには何が必要なのか、非常に具体的な提言が含まれた子どもに関わる人に読んでほしい一冊です。

読書 | 19:04 | comments(0) | - | - | - |

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